大判例

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東京高等裁判所 昭和48年(行ケ)42号 判決

事実及び理由

一  取消事由1について

成立に争いのない甲第四号証によれば、第一引用例は、スイツチ板であると同時にそのスイツチに対応する対象物の表示装置でもあることが認められる。また、スイツチ板に各スイツチにより点滅される電燈等が設置されている場所や部屋等の表示が例えば、スイツチ板の余白に書き込むような方法で表示されていることが周知であることは、当事者間に争いがない。

ところで、名板に描かれた各種の標識の変更を容易に行なう必要がある場合に、標識が描かれた名板を抜差自在に挿入するための支持部を設けることが周知技術であることは当事者間に争いのないところであるが、この周知技術は、表示の変更を必要とするものであれば、通常はどのような分野のものにでも適用できる応用範囲の広いものであるといつてさしつかえない。

そうすると、前記のようなスイツチ板における表示の変更の必要が生じた場合には、一般にはその表示を書き直すだけでこと足りるが、表示の変更が頻繁に起こりうるような場合には、必要に応じて、前記の周知技術をスイツチ板に対しても適用できるのであり、この適用にあたつて格別の技術上の困難性はないし、考案力を要するともいえない。原告は、この周知技術を本願考案のようにスイツチ板と組合せることは従来行なわれたことはないと主張するが、仮にそうであつても、そのことだけでは、本願考案の新規であることの根拠とはなりえても、進歩性の根拠とすることはできない。

したがつて審決に原告主張の誤りはない。

二  取消事由2について

原告が主張するスイツチの表示変更を適宜容易に行うことができるという本願考案の作用効果は、前記の周知技術をスイツチ板に適用することによつて、本来周知技術が持つていた作用効果が発現したものにすぎないから、これをもつて、格別に顕著な作用効果とすることはできない。したがつてこれと同旨の審決の判断に誤りはない。

三  以上のとおり、審決には原告主張の違法はないから、その取消を求める原告の本訴請求は失当として棄却する。

〔編註〕本願考案の要旨は左のとおりである。

スイツチ取付板に複数個のスイツチとその各々に対応する表示片を挿設するための表示片受けを設けたことを特徴とする表示マーク付スイツチ板

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